「笑四季 赤い糸 越神楽 生」とは
ワインと見間違えるくらいモダンなラベル。
国産ワインメーカーに見習ってもらいたいくらいにジャパニーズワインな見た目です。
ラベルには表示義務のある項目以外は載っていないので、どんな味わいなのかは呑んでのお楽しみ!
「赤い糸 越神楽 生」ラベル情報
特定名称:未記載
原料米:滋賀県産越神楽100% 精米歩合:50%
アルコール度数:16度 製造年月:2018年1月16日
酵母:花酵母ブレンド
蔵元情報
笑四季酒造株式会社 所在地:滋賀県甲賀市水口町本町1-7-8
数年前に路線変更で甘口至上主義を宣言して以降、様々な試行錯誤を重ねて、現在進行形で進化中の酒蔵さんです。
レビュー 唎酒日:2018/09/17
色合い 透き通った透明感
色づきも僅かで、透明度が高い。
低温貯蔵だけど生酒であることを考慮すると色づきが僅かなのは酒質が強くてしっかりしているからかな。
香り まだ青みのあるリンゴ
リンゴ系の吟醸香。
真っ赤に熟れる前の、まだ少し青い部分の残っているような僅かな酸味を感じます。
味わい 苦味と旨味のある力強い味わい
苦味の強いお酒という印象が残りますが、とろみのある飲み口やじんわりと感じる甘味によって好ましいと思える味わいに落ち着いています。
呑み下す時の刺激は冷酒では弱いですが、温度が上がるにつれて徐々に強くなっていきます。後味には苦味や渋みを感じます。
個性のある味わいは飲んだ人の心に残る。恋人や親しい友人と呑めば、その時間はこのお酒と一緒に忘れられない思い出となる、そんなお酒です。
温度での違い
冷酒 ★★★★★
ほとんど酸を感じない、とろりとした舌触りに、苦味が前に出ていますが、しっかりとした甘みを感じます。
呑み下す時の刺激は僅かで、後味は苦味と甘みが残り、舌の上に僅かな渋みを感じます。
冷酒(グラス) ★★★★☆
ほんのりとした苦味がストレートにやってきて、追いかけてくる甘味を心地よく感じます。
より明確に甘みとうま味を感じる盃(お猪口)がオススメ。
でも苦味をストレートに感じるグラスもなかなか悪くない。
冷や酒(常温) ★★★★☆
苦味にかわって酸味を感じるようになり、どっしりとした深みのある、それでいてまろやかな味わいに変化します。
甘味も感じますが、酸味によく馴染んでいて一体感があります。
喉を抜ける時の刺激は少し強まっていて、後味に苦味と収斂味を感じます。
コクのある深い味わいなので、まったりじっくりと呑むにはオススメの飲み方です。
お燗(ぬる燗40℃前後)★★★★☆
くっきりとした酸味を感じ、ストレートでスッキリとした爽快感と、ふくよかな旨味のある味わい。
呑み下す時の刺激は心地よく、後味には収斂味が舌の上に残ります。
精米歩合50%なのでもっと薄いのかと思いましたが、厚みのある飲み口なのでこの飲み方もあり。
因みに、さらに温度をあげると酸味がより引き立ちます。
燗冷まし ★★★☆☆
ぬる燗の時より穏やかになった酸味と、まったりとした甘味、ほのかに苦味を感じる甘口といった味わい。
喉を通る時の刺激は少し強くなっていて、後味に残る収斂味もそのままといった感じ。
これを目当てにお燗をする程ではないですが、アリかナシかで言えばアリです。
総評 なにかひとこと
冷酒では苦味に感じた部分が、温度が上がるにつれて酸味に感じると言うのは面白い。
同じお酒を冷酒やお燗にしたりと温度を変えてまで利き酒する人は普通はいませんが、どの温度で呑んだかによって評価が変わる味です。
とは言え、精米歩合が50%なので特定名称は未記載ですが、ほとんどの人が吟醸酒のように冷酒でしか呑まないと思います。
なので冷酒や冷や酒であれば〆鯖(シメサバ)やカツオのタタキ(生姜ポン酢)を肴におすすめです。
お燗にしたなら、サバやカツオを焼いたり煮たりした料理、そして滋賀のお酒なので鮎の塩焼きや、鮒寿司(ふなずし)に合わせても良さそうです。
あすすめ度
初心者 ★★★☆☆
初心者向けではは無いので、ネーミングに誘われて買うのはやめた方がいい。美味しい日本酒ですが、万人受けする味でもないと個人的には感じました。
中級者 ★★★★☆
ある程度の見慣れた人なら普通に美味しいと感じることが出来るので、ラベルのデザインで雰囲気作りに飲むのもありなお酒です。
上級者 ★★★☆☆
毎年目指すところを変えて挑戦を続けているので、その年の造りを見てから試してみるのがオススメです。
呑み終わって 2018/09/18
温度によって苦味と酸味に表情を変え、甘味もしっかりと感じる味わい深いお酒でした。
甘口至上主義とは言うものの、甘ったるいジュースではなく、しっかりと日本酒の特徴を引き出されています。
自宅貯蔵には、同じ笑四季のモスーンという銘柄もあるので今から楽しみです。