酸のある苦みが特徴的で好みがわかれる味。
飲み方は、冷や酒と、開栓三日目の冷酒がおすすめ。
「二兎 Thema」とは
愛知県名古屋市の「酒泉洞 堀一」という酒屋さん&愛知県岡崎市の丸石酒造さんがコラボして生まれたお酒。
堀一さんだけの限定販売。
二兎の名前を冠しているのは、醸造したのが二兎担当の杜氏さんだから。
通常の二兎シリーズと共通点は「山田錦100%使用・精米歩合55%・杜氏さんと造り方」なのでほぼ一緒です。
唯一異なる部分は酵母。
二兎が協会7号酵母を使用しているのに対して、Themaは協会14号酵母を使用しています。
それぞれの酵母の特徴は、
協会7号酵母:発酵力が強く低温醸造に向いていて、華やかな香りが特徴。通称「真澄酵母」。
協会14号酵母:低温発酵に適していて、酸の少ないお酒になりやすい。通称「金沢酵母」。
とこんな感じ。
春に飲んだ「二兎 山田錦五十五 生酒」は、香りと味が良くて収斂味だけが気になるお酒だったので、それとどう違うかが気になります。
「二兎 Thema」ラベル情報
特定名称:純米吟醸酒
原料米:山田錦 精米歩合:55%
アルコール度数:16度 製造年月18.4
蔵元情報
丸石醸造株式会社 所在地:愛知県岡崎市中町6-2-5
徳川家康の産まれた岡崎城のすぐ近くにある酒蔵さんで、酒造じゃなく醸造なのは昔は醤油なんかの醸造製品も造っていました。現在はメディアで有名な「二兎」、復刻酒米 萬歳を全良使用した「萬歳」、基幹ブランドの「三河武士」と上級グレード「徳川家康」を造っています。他にも酒蔵が造る果実酒「魅惑の〜」シリーズがあります。蔵でのイベントも盛んなので、岡崎観光がてら蔵元見学もありです。
レビュー 唎酒日2018/09/01
色合い ほんのり有色
・最低限の濾過しかしていないので、ほんのり色がついている。
(生酒を低温貯蔵していたので色合いは少し増しているかも)
香り 柑橘系のすっきりした香り
・柑橘系を思わせる酸のある香り。
・フーゼル油臭が少し強め。
・生酒独特のオリ感もある。
味わい 酸味と旨味がしっかりしてる
・酸味と旨味のあるしっかりとした味わい。
・温度が上がるにつれて旨味が引き立っていく。
・口当たりはとろみがあって、喉を通るときの刺激は少ない。
・後味に苦味と収斂味がある。
お酒の温度による違い
冷酒
酸味を感じますが、土台に旨味があってどっしりとした味わいです。
とろみのある口当たりで、呑み下すときの刺激は少ないですが、ふわっと香りが広がります。
後味には苦味と収斂味が口の中に残ります。
グラスの場合
酸味がより早く感じるようになり、苦味も前に出て来ます。
どちらかと言えば日本酒的な飲み方が向いているお酒なので、グラスで飲むには向かないかも?
冷や酒(常温)
香りはより果実感が強まっています。
とろみのある口当たりは変わらず、酸味は穏やかになり、まろやかな甘みと旨味が鮮明になります。
呑み下すときの刺激はありませんが、苦味気になります。後味にも苦味と収斂味が残ります。
キヘボンは冷酒よりもこっちが好きです。
お燗(上燗45℃前後)
柑橘類を煮詰めたジャムのような香りがします。
口に含んだときに舌先に酸味を感じるけど、甘みが増し、旨味がより強くなっています。
喉を通るときの刺激は少なく、後味の苦味と収斂味は弱まり、後味は爽やか。
純米吟醸ですが、お燗にするのアリです。
燗冷まし
甘酸っぱい香り。
酸がかなり強く残っていていて、甘味も感じますが、苦味も強い。
喉を通る刺激も、後味の収斂味も増しています。
燗冷ましはナシかな。
総評 呑み手を試すようなお酒
酵母が違うということで、通常の二兎とは香りは全く異なっています。
でも呑んだときの印象は二兎。
今年の二兎に感じる収斂味がって、まったりとした舌触りなんかがそっくりなのです。
キヘボンなら肉料理に合わせます。
それも牛肉やジビエなんかの独特の匂いと味わいのある赤身肉に合わせたいです。味付けは塩で串焼き焼きってシンプルでも良いし、濃い味付けでも合うと思います。それだけしっかりとした味のお酒です。
あすすめ度
初心者 ★★★☆☆
二兎としてはイレギュラーなお酒なので、二兎の味を知りたいなら「二兎六十五火入れ」の方をオススメします。
中級者 ★★★☆☆
収斂味って気になる人と、そうでない人がいるので、それによってはオススメできるお酒。
二兎を呑んだ事があるなら比較として飲むのは楽しいかも。
上級者 ★★★★☆
「口の中がキュ〜ってなるのがタマンネェんだよな〜」って人に数めたい玄人好みのお酒です。
とろみと甘みのあるお酒なので好きな人には堪らない味です。
「二兎 Thema」は『酒泉洞 堀一(http://www.syusendo-horiichi.co.jp/)』にて購入できます。(通信販売アリ)