豊かで上品な香りと、懐の深い旨味のある味わいが特徴
夢吟香という酒米のいい部分を引き出した日本酒
「山崎醸 夢吟香 DREAM(生原酒)」とは
東京方面には「奥」というブランドが流通している山崎合資会社には「山崎醸」というブランドがありまして、そのなかの銘柄として「夢吟香 DREAM」があります。
ネーミングの由来は、”三ヶ根山から世界へ”という「夢」を込めて名付けられたとラベルに書かれています。
愛知県の開発した夢吟香という酒米を使用していて、三ヶ根山の伏流水で醸した純米大吟醸。
この蔵の「奥」シリーズは飲んだことがありますが、中々に味わい深く香りの良い日本酒だったと記憶しています。
個人的に夢吟香は扱いの難しい酒米だと思っているので、どのような味に仕上がっているのかとても気になっています。
「山崎醸 夢吟香 DREAM」ラベル情報
特定名称:純米大吟醸(原酒)
原料米:愛知県産夢吟香100% 精米歩合:50%
アルコール度数:16度 製造年月:18.03
蔵元情報
山崎合資会社 所在地:愛知県西尾市西幡豆町柿田67
愛知県は西尾市の海沿いの町にある酒蔵。三ヶ根山の伏流水を使用して「尊王」「尊皇」「奥」「山崎醸」「幻々」「焚火」と様々なシリーズを販売しています。熟成酒なども造っているので、熟成酒好きとしては注目しています。
レビュー 唎酒日:2018/09/06
色合い 透明感は高く、わずかに色付き
生原酒ですが、色付きはわずかで、とても澄んだ透明感があります。
香り 澄んでいて爽やかな吟醸香
甘くて爽やかで、りんごの様な透明感のある上品な香り。
心地よい香りだけで、不快に感じる香りが一切ないのも特記すべき部分。
味わい フルーツのような甘さと酸味
口当たりはまろやかで、淡く透き通るような印象の日本酒です。
ほのかな甘みがあって、わずかに感じる苦みが心地よい。
喉を通る刺激も心地よく感じ、後味も嫌な感じはない。
温度での違い
冷酒
まろやかな口当たりに、爽やかな甘みがよくマッチして、じわじわと旨味が身に沁みる。軽く感じる酸味と苦みが良いアクセントになっています。
のどを通る刺激はわずかで心地よく、後味の軽く酸味と収斂味を感じます。
グラス(冷酒)
盃に比べ、甘くて上品な香りを強く感じます。
よりシャープでフレッシュな甘みが爽やかで、苦みより先に心地の良い酸味を感じます。
どちらの酒器でも、それぞれに味わいがあってよいのですが、日本酒メインに飲むなら吟醸香をより楽しめるグラスがおすすめ。
冷や酒(常温)
上品なままですが、吟醸香は弱く、純米の甘ずっぱい香り。
まるみのある飲み口に、甘みと旨味が強まり、酸味が程よく調和している。
呑み下すときの刺激は変わらないけど、後味にも旨味を感じるようになっています。
お燗(ぬる燗40℃前後)
香りは酸が前に出てきます。
巌のようなずっしりとくる感覚、酸味が最初にきて旨味も感じますが、甘みは弱くなった印象。
喉を通る時の刺激は少し強くなっていて、後味は収斂味があります。
燗冷まし
酸は立ったままですが、甘みと旨味はしっかりと感じます。
呑み下す際の刺激は冷や酒に比べて強いですが、後味の旨味もこちらのが強いです。
総評 なにかひとこと
夢吟香の良い部分が存分に引き出されています。華やかで上品な香りに、旨味あるふくよかな味わいは一献の価値ありです。
邪道ですが、このくらい香りの良い日本酒は、1対1の水割りにしても意外とおいしく飲めたりします。
合わせる料理は、基本的に魚料理ですね。それも、お猪口や盃ならば塩焼きの魚料理、グラスで飲むならフレンチなんてのもありです。冷や酒には、塩辛やこのわたと言った珍味系がおすすめ。純米大吟醸なので勿体ない気もしますが、お燗なら煮つけってのもありです。
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あすすめ度
初心者 ★★★★☆
透明感のある香りがあって、味わい深い旨味もあるお酒ってのは、ありそうでないので、機会があればぜひ体験してほしい。
中級者 ★★★★★
夢吟香の良さを感じられるお酒なので、酒米の違いに興味を持ち始めた人にはぜひ飲んでいただきたい一本です。
上級者 ★★★★☆
日本酒度としては±0辺りのお酒なので、旨味もあって、香りもよい。そんな日本酒が好きな人は是非に。