食米を原料米とし、精米歩合70%でありながら
いちごのような甘い香りが印象的な、優しい酸味のあるすっきりとした純米酒
「ちえびじん 純米ひとめぼれ」とは
今回のお酒、「ちえびじん 純米ひとめぼれ」
ごはんにして食べるられるお米である「ひとめぼれ」を原料米に使用した日本酒。
というと珍しいモノのように感じますが、実は食米を使ったお酒って世の中に多く流通しています。
実は原料米の表記がない場合、そのほとんどが原料米に食米を使って造られてます。(もちろん例外はありますが)
精米歩合が70%なのも「食米は高精米に耐えられない・あまり磨いても意味がない」との二つの理由からくる必然だったりします。
こんな事を言っていますが、そのことをマイナスに評価してるわけではなく。「けっこう一般的なことですよ」ということ、食米を使ってもおいしいお酒が造れることを知ってほしいとの思いから書きました。
「ちえびじん 純米ひとめぼれ」ラベル情報
特定名称:純米酒
原料米:ひとめぼれ 精米歩合:70%
アルコール度数:16度 製造年月:2018.1
蔵元情報
有限会社 中野酒造 所在地:大分県杵築市大字南杵築2487番地の1
明治7年創業。地下200mより湧き出す六郷満山の御霊水を仕込み水として使用して、「ちえびじん」のブランドのお酒を造っています。
レビュー 唎酒日:2018/09/03
色合い すこし濃いめな色付き
すこし濃いめの色付きで、すこし濁っていて、オリか酵母のような細かな浮遊物が見えます。
原料米に食米を使用していて精米歩合70%なことから、アミノ酸などの有機物が多いからなのかな?
香り 甘い甘いいちご
いちごを連想させる、とても甘い香り。
お米から作ってこんな香りが出せるのかと驚くほどで、とても丁寧に造ってるからなのかな?不思議とウキウキしてしまう香りです。
味わい お米のふっくら感
・ふっくらとした口当たり
・やさしい酸味とかすかな甘みのバランスは良い
・冷酒と冷や酒は喉を通るとき刺激はほとんどない
温度での違い
冷酒
ふっくらとした口当たりで、果実味のある爽やかな酸味に後から甘みがついてきます。
呑み下す時の刺激はほとんどなく、後味に少しだけ苦味がありますが、口の中には甘酸っぱさが残ります。
グラス(冷酒)
香りをより鮮明に感じます。
飲み口はよりシャープになって、口に含んだときに感じる苦味が少し際立ちます。
盃とグラスでここまでクッキリと味の印象が変わるのも面白いですね。
キヘボン的には味を楽しむなら盃、香りを楽しむならグラスがオススメです。
冷や酒(常温)
より香りは華やぎますが、味わいはより酸味の立つ辛口な印象になります。
喉を通るときの刺激は変わりませんが、後味に収斂味を感じるようになります。
お燗(上燗45℃前後)
酵母の香りも感じますが、果実味のある香りは健在。
酸味のあって、キレが良い、あっさりとした飲み口です。
喉を通るときの刺激と、後味の苦味がいい感じに引き締め役になっています。
燗冷まし
香りはほぼ飛んでいて、酸味がかなり強く感じます。
喉を通る刺激はも感じますが、後味は酸味が少し残ります。
総評 なにかひとこと
いちごに似たとても甘い香りが印象的で、お米のようなふわっとした口当たりに、酸味のあるスッキリとした味わい。こんなアプローチもあるのかと感心したお酒でした。
とても甘い香りなので、冷酒ならサラダやマリネに合わせたいです。熱燗なら焼き鳥で軽く一杯やるのも良さそう。
あすすめ度
初心者 ★★★☆☆
香りがとても良く、スッキリしていて飲みやすいです。甘口好きな人よりも、飲み口の軽いお酒を好む人にオススメです。
中級者 ★★★☆☆
精米歩合が70%とは思えない程に、果実味のある甘い香りがします。価格も吟醸酒よりもお手頃なので、普段飲みにチョイスするのがオススメです、
上級者 ★★★☆☆
甘い香りが一見すると甘口なのかと感じますが、甘ったるくはなく意外にスッキリと飲めるお酒です。食米だからこその旨味を楽しめる方にオススメです。
一本飲み終えて…(2018/09/04)
酸味や苦みがありますが、すっきりとしていて呑みやすい日本酒で、旨味も感じます。ただ、どちらかと雑味に感じる部分が多いので人によっては呑みにくいと感じるかも、スイスイと呑めるのは日本酒を呑み慣れた人だけかも。
とはいえ悪酔いしそうな感じはしないし、とても綺麗に造られている火入れのお酒なので、少しずつ飲む人にもいいかもしれません。
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