利き酒会に行ってきました。
と言っても普通の利き酒会ではなく、熟成酒・古酒と呼ばれる類の日本酒がメインの利き酒会です。
普通に売られている日本酒は、新酒やひやおろしといった”前年度に醸造”したモノが一般的で、昨今の日本酒ブームでもてはやされているモノもほとんどが新酒です。
そんなブームの波に乗らないちょっと変わった利き酒会が、今回行ってきた利き酒会なのです。
しかも二日連続!さらに二日それぞれ出品酒が異なる!ので、まずは10月07日の利き酒会から振り返って行きましょう。
- 1. 利き酒した日本酒
- 2. 先にざっくりと本日の感想
- 3. 出品酒別の評価一覧
- 4. リストにない出品酒の評価一覧
利き酒した日本酒
– わしが国 瞑想水 大吟醸 06年 (宮城)
– 一生青春 別誂 大吟醸 12年 (福島) 非売品
– 越の華 純米吟醸しずく 95年 (新潟)
– 越の華 大吟醸しずく 15年 (新潟)
– 水尾 大吟醸 うすにごり 15年 (長野)
– 白老 嘉永元年 鑑評会金賞酒 H26年 (愛知)
– 長崎美人 大吟醸 5年連続金賞 H23年ささ (長崎) 非売品
– 土田クラフト13 山廃純米吟醸 (群馬)
先にざっくりと本日の感想
後でもいいのだけど、後半に書いた一個一個のレビューとか読むのはよっぽど物好きで古酒好きな人しかいないっしょ。
って事で、ざっくりとした感想をば
本日のお酒たちの傾向
今日の利き酒会で振る舞われた日本酒は、どれもが個性的で方向性の異なる熟成をしたものばかり。
甘くスッキリとしたものもあれば、どっしりとした旨味が育っておりものもある、酸味が強くなりすぎててあれれ?と思うものもあったりしました。
キヘボン的に当たりだったモノ
本来順位をつけるべきものでは無いのですが、個人的に気に入ったものを二つ上げておきます。
1位 一生青春 別誂 大吟醸 12年 (福島) 非売品
リンゴのコンフォートの様な香り。
ふっくらとした甘味を感じ、旨味が口の中に広がっていく味わい。
この香りと味わいは新酒では絶対に味わえないモノで、驚きそして癒されました。
非売品ということもあって、今回の利き酒会を逃していたら二度と飲む機会はなかったでしょう。それを思うと、こんな機会を与えてくれた酒屋の大将には感謝しかありません。
2位 白老 嘉永元年 鑑評会金賞酒 H26年 (愛知)
吟醸香はしっかりと残っていて洋梨のような甘い香り。
旨味をくっきりと感じつつも、甘味と苦味がバランスよく溶け込んでいました。
白老の新酒は、角の残ったモノが多い印象でしたが、4年の熟成によって角が取れていました。味自体はそこまで変化していませんでしたが、「それが丁度良い塩梅なのだよ」と言われている様な納得する味。
なんとなくまとめ
長い年月を経た「熟成酒・古酒」と呼ばれるものは、美味しく育っているものもあれば、ちょっとこれは…となっているものもあるのだと、そう再確認させてくれました。
日本酒ではあまり馴染みのない酒を「寝かせる」という行為ですが、ワインやウイスキー、焼酎などでは当たり前に行われています。
醸造酒であるワインは瓶で寝かせることで熟成しますが、日本酒も同じ様に瓶で貯蔵することで同じ様に熟成していきます。
まだまだ一般的ではありませんが、日本酒の熟成酒というジャンルもそのうちブームになりそうな気もします。(キヘボンの分が減るのでブームなんて来ないで欲しいですが…)
出品酒別の評価一覧
品名の後ろに星マークで評価としています。
おいしいという意味では星3がマックス、そこに熟成で良い方向に育っているかで星4星5と加点しています。
わしが国 瞑想水 大吟醸 06年 (宮城) ★★★☆☆
色合い
色づきは少なく透明感もある(反射のある画像で申し訳ない)
香り
枯れた香りと甘い香り 吟醸香は控えめ
味わい
枯れてる旨味があって甘味も苦味も感じるのに、とても淡く薄い味わいに感じる不思議。
- 酸味 2■■□□□
- 苦味 3■■■□□
- 甘味 3■■■□□
- 旨味 3■■■□□
一生青春 別誂 大吟醸 12年 (福島) 非売品 ★★★★★
色合い
ほのかに色がつき始めていますが、青みがかっていて澄んだ色
香り
熟したリンゴのコンフォートの様な吟醸香と熟成香のバランスが良い
味わい
ふっくらとした甘味と、広がりのあるしっかりとした旨味を感じる味わい。酸は殆どないが、後味に苦味がある。
熟成によって旨味がしっかりと育っている。
- 酸味 1■□□□□
- 苦味 2■■□□□
- 甘味 4■■■■□
- 旨味 5■■■■■
越の華 純米吟醸しずく 95年 (新潟) ★★★★☆(本当は4.5)
色合い
飴色に近づいていますが、23年ものとしたら色づきは抑えられている
香り
森の中を思わせる、しっかりと熟成した香り
味わい
淡々と枯れた味わい。甘味は少なく、熟成したしっかりとした旨味がある。どっしりとした力強さがある。
- 酸味 1■□□□□
- 苦味 3■■■□□
- 甘味 2■■□□□
- 旨味 4■■■■□
越の華 大吟醸しずく 15年 (新潟) ★★★☆☆(本当は3.5)
色合い
うっすらと色づき始めているけど、透明感のある綺麗な色
香り
枯れた香りの中に酸味のある香り
味わい
枯れた味の中にまるみのある甘味がくっきりと顔を出してる。これ日本酒だっけ?ってくらいにまろやかだけど、少し甘味が強くて独特のクセもあるので好みが分かれる味。
- 酸味 1■□□□□
- 苦味 2■■□□□
- 甘味 4■■■■□
- 旨味 2■■□□□
水尾 大吟醸 うすにごり 15年 (長野) ★☆☆☆☆
色合い
見てわかるくらいには色づいていて、にごり酒なので浮遊物あり
香り
ほんの少し吟醸香、枯れた香りも強い
味わい
飲んだ瞬間に酸っぱい!と思うほどに酸味の強い味わい。甘味は微かで苦味も少なく、ひねた味と言われればこれがそうなのかもと思う。
- 酸味 5■■■■■
- 苦味 2■■□□□
- 甘味 1■□□□□
- 旨味 2■■□□□
白老 嘉永元年 鑑評会金賞酒 H26年 (愛知) ★★★★★
色合い
小麦色に色づいていて、透明感もある
香り
吟醸香はしっかりと残ってる洋梨のような甘い香り
味わい
くっきりとした旨味を感じながらも、柔らかな甘味と苦味が心地よい味わい。4年熟成でいい感じに角が取れている。
- 酸味 2■■□□□
- 苦味 2■■□□□
- 甘味 3■■■□□
- 旨味 4■■■■□
長崎美人 大吟醸 5年連続金賞 H23年 (長崎) 非売品 ★★★★☆
色合い
青みがかって透明感もある綺麗な色
香り
リンゴのようなさわやかな甘味を感じる香り
味わい
フルーティでフレッシュな甘さがあって、微かに酸も感じ、ふくらみのある旨味が全体を包んでいる。あと味の苦味がいいアクセントになっている。
- 酸味 1■□□□□
- 苦味 3■■■□□
- 甘味 3■■■□□
- 旨味 4■■■■□
土田クラフト13 山廃純米吟醸 ★★★☆☆
色合い
これぞ新酒と安心する、色付きはなく透明感があります。
香り
フルーティでフレッシュな甘味のある香り、麹や酵母の香りも感じる。
味わい
甘味のあるフルーティな味わい、旨味がしっかりある。
度数を抑えた造りだからなのか”甘口の白ワイン”のように軽口でとても飲みやすい。
- 酸味 3■■■□□
- 苦味 2■■□□□
- 甘味 4■■■■□
- 旨味 3■■■□□
リストにない出品酒の評価一覧
豊醸 吟醸 ★★★★☆
色合い
黄金糖にかなり近い、透明感のある飴色。
香り
カラメルの様な甘い香りと熟成香。
味わい
酸味がおさまって、甘味のあるあじわい。すこし霧のかかったような印象を受けるが軽い味わい。
- 酸味 1■□□□□
- 苦味 2■■□□□
- 甘味 4■■■■□
- 旨味 2■■□□□
土田 菩提酛×山廃酛 純米吟醸 3★★★☆☆
色合い
注げる量が少なかったのでノーコメント。
香り
酵母の力強い香りと、甘酸っぱいフレッシュな香り。
味わい
どっしりとして旨味がある。前年度の菩提酛×山廃酛よりも酸がしっかりとしていて、甘味が抑えられている印象。
- 酸味4■■■■□
- 苦味2■■□□□
- 甘味3■■■□□
- 旨味3■■■□□
山鶴 純米大吟醸 95年 ★★★★☆
色合い
23年ものとは思えないほどに色づきは少なく、かすかに霞がかっているが透明感はある。
香り
注意しないとお酒だと気づかない、とても儚げな香り。
味わい
酸味がありながらも、ハッキリと旨味を感じる味わい。苦味と甘味を同じくらい感じるが旨味が優っている印象。
- 酸味 2■■□□□
- 苦味 3■■■□□
- 甘味 3■■■□□
- 旨味4.■■■■□
氷晶 純米吟醸 うすにごり 04年 ★★☆☆☆
色合い
にごり酒なので透明感はないですが、かすかに色づいているのが見てとれます。
香り
少し酸味を感じるがとても薄い香り。
味わい
まるみはあるけど、舌にピリピリとした印象のある酸味の立つ味わい。
濁ってるのはやはり酢が入ってしまっているのだろうか?
- 酸味 4■■■■□
- 苦味 2■■□□□
- 甘味 1■□□□□
- 旨味2■■□□□
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