ATOMCam2を遠隔地で独立運用。モバイルルータ・ポータブル電源・太陽光パネルの組み合わせで運用

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所有する山林に山菜泥棒や不審者が出るので、その対策と言うか「監視」の目的で、ネットワークカメラを設置することにしました。

電線を引くという手もありますが、手元にモバイル電源とモバイルソーラーパネルがあったので、完全独立で運用できるか試しに設置して1年半経過しました。

自分用の覚書と、同じような運用を考えている人に向けて、必要な機材や設置の仕方をメモっておきます。

成果

設置したのに「泥棒が写ってない」とかだと無意味ですから、まずは設置したことによる成果です。

以前からなのか、少し前に入り口の道を整地したからか、結構な数の人が入って来ていたみたいです。

山菜泥棒は5回確認されドナドナしました。

山菜泥棒は、通知を確認してから現場に急行し、実際に犯行現場を抑えたり、被害を確認して警察に対応してもらったものになります。

不審者および不審車両は15回くらい撮影されました。

不審者と不審車両に関しては、私有地に無断で立ち入ったが、そのまま引き返したり、何も取らずに去っていったものです。

半数くらいはカメラを確認して慌てて去っていくところが映像に写っているので、カメラを見て逃げ帰っている可能性が高く、カメラが抑止力にもなっていると考えられます。

必要なもの

  • ネットワークカメラ
  • ポータブル電源
  • ソーラーパネル(ポータブル電源用)
  • モバイルルーター
  • モバイル通信SIMカード

ネットワークカメラ-ATOMCam2

販売開始の時に購入したものを使っています。

消費電力は通常動作時で1Wh程度で、赤外線ライトオンで0.5Wh増加し、動体検知による通信やライブ視聴中にも若干消費電力が上がります。

私の場合、SDカードも挿入して、「動体検知時のみ録画」でSDカードにも記録されるようにしてあります。

ライブ視聴での通信量はアプリ内での表示では大体ですが「HDが最大120KB/s」「SDか最大50KB/s」「360pが最大20KB/s」です。

モバイルルーター-FS010W

現在はモバイルルーターは引き出しに眠っていた富士ソフトの「FS010W」をバッテリーレスで運用しています。

消費電力は、通常使用時で2Whくらい使用している感じです。

過去には「富士ソフト FS030W」「Fuji-Wifi H01」「HUAWEI 501HW」を使用してました。FS030Wはバッテリーレス運用が出来て、消費電力もFS010Wと同等でした。H01と501HWはバッテリーレスでの運用ができず、常時接続でもバッテリーに無駄な電力が消費されるので、ソーラー運用に使うならバッテリーレスにできるモデルがおすすめです。

モバイル通信SIMカード-mineoマイそくライト

少し前まではマイそく「スタンダード」を使用していましたが、ライブ視聴をあまり使用しないので、「ライト」に変更しました。

ライブ視聴に関しては「360p」と「SD」の画質であれば問題なく視聴できます。「HD」はカクつきます。スタンダードプランであればHDでも問題なく視聴できます。

これは、ATOMCam2はHD画質で「最大120KB/s」の通信量が発生するので、ざっくり「960Kbps」の通信速度が必要となるからで、ライトの300Kbpsだと常時最大通信ではないとしても速度不足になるからです。1.5MbpsのスタンダードならHD画質でのライブ視聴でもカクつきません。

SD画質では「最大50KB/s」なので、ざっくり「400Kbps」必要ですが、常に最大消費しているわけではないので、通信速度の範囲に収まっているので問題がないのでしょう。ついでに360pの「20KB/s」は「160Kbps」必要ということになります。

初期はFuji-Wifiの無制限ブランによるルーター貸出機を使用していましたが、そこまで通信量がかからない(大体10日で1〜3GB使用する)事から、IIjmioの5GB(2GB無料追加)で運用してみたところ、ひと月後にも2GB残っていました。動体検知の最適化と、あまりライブ視聴はしないので、そこまで通信を使わないってのが理由です。

そこから、昼の1時間を犠牲にすることを対価に運用コストを下げる選択をしています。

念の為SDカードも入れて記録されているので、1時間の空白時間に通知はありませんが、後から確認することは可能です。

ポータブル電源-suaoki s370

「suaoki s370」はAmazonで数年前に購入した物で、容量は320Wh程度で、満充電でATOMCam2とモバイルルーターを繋ぐと丸3日動かせます。

ポータブル電源の役割はソーラーパネルの発電がされていないときの電源確保で、基本は夜間の電力源です。

容量に関しては、ソーラーパネルと組み合わせて使う前提であれば、ネットワークカメラとモバイルルーターが数日間動作する容量を選択しておけばいいので、基本的には300Whもあれば事足りると思います。事実足りてます。

ポータブル電源を選ぶ際にもう一つ重要なのは、ソーラーパネルによる充電時に「何Whで充電されるか」も大事です。コレが低いと、ソーラーパネルがどれだけ発電しても無駄になります。

モバイルバッテリーでは駄目なのか?

モバイルバッテリーではだめなのか?という疑問に関しては、モバイルバッテリーの「充電時の挙動次第」です。

現在販売されている大抵のモバイルバッテリーは、充電中にもUSB出力ができますが、充電の切り替え時に一瞬USB出力が途切れる回路設計のものが殆どで、それが問題となります。

特にモバイルルーターは、USB接続であれば基本は5V2Aの10Wでの充電しかできません。Type-CのDP接続なら60Wとかありますが、そんな高性能なモバイルバッテリーは無駄に高いだけなので、安いポータブル電源のが良い場合が多いです。

ソーラーパネル

下記の計算や比率は、厳密な計算とはそれなりにズレがあるので、あくまでも目安として使用してください。

  • 発電容量は100W前後のものを
  • 設置場所はよく日が当たる場所に
  • 南向きで傾斜30度
  • 折りたたみタイプでも1年半は保ってる

発電容量は100W前後のものを

太陽光発電システムに関わる仕事をしていたこともあり、その知識からですが「パネル容量 × 3」が日平均の発電量で、冬場は5月ごろと比べて半分の発電量になります。

ということで、100Wパネルを設置した場合、冬場でもざっくり日平均で150W以上は発電するって感じです。

大雑把にATOMCam2が1Wh、モバイルルーターが2Wh、両方の揺らぎ分を1Wh、4Whとして24時間で1日96Whくらい必要になるので、日平均150Wくらい発電するなら賄える計算になります。

なので、300kWhのポータブル電源と、カメラとモバイルルーターが各1つの構成であれば、バネル容量 100W前後が1枚あれば容量的には足ります。

ポータブル電源の充電時の容量が大きいものであれば、ポータブル電源の容量が大きいものを選び、パネル容量を増やすとより発電不足での停電のリスクは減ると思います。

設置場所 日当たり良好な場所

設置場所は影のかからない日のよく当たる場所にし、どうしても時間によって影がかかる場合はパネルの容量が多いものにしたほうが良いです。

方角・傾斜 真南&30度

設置方角は真南、設置傾斜は30度。方角が45度ズレるごとに10%くらい発電量が下がり、傾斜は10度で10%くらい下がるので、どうしても方角や角度に制限がある場合は、発電量が減った分、パネル容量を増やすといいです。

材質について 折りたたみタイプでもいいが…

手持ちの太陽光パネルが布地の折りたたみタイプだったので、それを使っています。一応は防水仕様らしいのですが、念の為、直接雨が当たらない様にして使用しています。

既に廃盤ですが、私が使っているのはAmazonで購入した「EENOUR ソーラーパネル 80W」で、12月~2月は晴れが続いても発電不足になることがあります。後日交換しました。「ATOMCamを系統電源なしで運用するのに使ってるソーラーパネルを100Wのモノに変更

設置してからは、動かしたりもしないこともあり、断線なども起きてはいませんが、布地や受光面の樹脂シートの部分などは(今のところ発電に影響はありませんが)確実に劣化が進んでいる感じはします。

これから買うなら、アルミフレームの受光面が強化ガラスのハードタイプもありだと思いますし、今の布製が壊れたらアルミフレームのものを買ってみようと思っています。

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