日本酒をお燗にするときの温度[特定名称別]

日本酒をお燗にするときの温度[特定名称別]

いや~寒い、寒いですね~。

こんな寒い日には、日本酒をお燗にして呑むというのもオツなもんですよ。

お店で呑むなら注文時に「この日本酒、燗つけてください。」って言いますが、それなりにわかってるお店なら「どのくらい温めますか?」と聞かれます。(因みに、物凄くわかってるところなら、なにも言わずに適温で出されます)

って事で、日本酒をお燗にするときに特定名称ごとに(例えば吟醸酒なら)こんな温度で呑むといいよ!っていうおすすめの温度を紹介します。

先にいっておくと、酒量に余裕があったり、家のみなのであれば、冷や酒で一杯呑んで味や香りの強さを確かめてから決めるほうが間違いはないです。

なので、下記の適正温度はベースとして参考にしてください。

特定名称別 お燗の適正温度

適正温度マップ

一目でわかるように図にしてみたので、理由とかは置いておいて注文時にさっとみるのに活用してください。

因みに、この表としたの解説は速醸酛の場合です。生酛系は、下記の温度に0℃~5℃プラスすると幸せになれます。

普通酒 50℃(熱燗)以上

普通酒は精米歩合が70%以上、原料は食米、造りも通常の造り、というモノが多い。

それゆえに味わいが強いのだが、なれない人なら「うっ…」となる酒臭さがあるのが普通。

そんな普通酒は、50℃(熱燗)ないしは、55℃以上の飛び切り燗にすることで余分な酒精(要は醸造アルコール)が飛び、味わいの強さはそのままに呑みやすくなる。

と言うのが、キヘボン的な見解。

本醸造酒 50℃(熱燗)

概ね普通酒と大差ないけれど、精米歩合が60%以下だったり、醸造アルコールの添加量が少ないとの理由から、大体、50℃の熱燗にするのがベター。

吟醸造りで香りの優れるものや、醸造アルコールの添加量を極端に少なくしたものであれば、45℃の上燗という選択しもあるけれど、そういう造りのものは少ない。

純米酒 45℃(上燗)

米、麹、水、(酵母)、のみで造られたお酒。

45℃の上燗にすると、冷や酒の時とはがらりと印象が変わるものが多い。

醸造アルコールが添加されていないので、あえて(酒精を飛ばす目的で)熱燗にする必要はないけれど、香りの弱いもの&味わいの強いものなら50℃にするのも楽しめる。

吟醸酒 45℃(上燗)

吟醸造り&醸造アルコール添加なお酒。吟醸香を留める(強める)ために、それほど多くは入れないけれど、醸造アルコールが添加されている。

吟醸香を残しつつ、酒精(醸造アルコール)が少し飛ぶようにって事で、キヘボン的には吟醸香の残るギリギリな、45℃の上燗が良い選択。

純米吟醸酒 40℃(ぬる燗)

造りの上手い蔵なら、この純米吟醸酒というカテゴリがコスパ最強!って気がする今日この頃。

あまり温度をあげてしまうと、せっかくの香りが台無しになってしまうので、40℃のぬる燗がおすすめ。

大吟醸酒 40℃(ぬる燗)

日本酒のなかで一番難しいのが大吟醸酒。

アル添ということでコスト減を目的としたものもあれば、究極の香りと味を追求することを目的としたものもある。

本当に拘って造られたものなら、40℃のぬる燗にすることで、香りが華やぎ、味の広がりを感じられます。

ごく僅かしか醸造アルコールを添加していないものなら35℃の人肌燗もあり。

逆に、手頃な価格のものは45℃の上燗にしてもいいかなぁ、と思ったりもする。

純米大吟醸酒 35℃(人肌燗)

大吟醸よりは、こちらの純米大吟醸のほうがクオリティが一定ライン以上な安心感がある。が、こちらもぶっちゃけピンキリ。

精米歩合50%のものが、精米歩合35%のものより旨いなんてことはざらにある世界。

とは言え、総じて吟醸香のしっかりしたものばかりなので、吟醸香が最も華やぎ、かつ温もりを感じる温度、35℃の人肌燗をおすすめしたい。

生酛系(生酛、山廃酛)の場合

上の表に好みで5℃ほどプラスすると吉。

生酛系は総じて味わいが強くなる傾向にあるので、少し温度をあげて異なる表情を楽しむのことができる。とキヘボンは感じています。

無ろ過とか生酒の場合

上の表から好みで5℃ほどマイナスすると吉。

無ろ過は、醪に含まれる麹や酵母などのオリが残るので、温度を高くするとそれが香りにでてきます。(オリ臭が好きな人は別として)少し温度を下げるほうが「しまったな~」となることが減ります。

生酒もにたような理由で、ろ過していても残ったオリに含まれる麹や酵母が生きているので、温度を高くするとそれが香りにでてきます。そもそも火入れしてないことがウリなので、あえて温めすぎる事もないのかと思います。

古酒・熟成種の場合

5℃くらいプラスする感じでいいと思います。

熟成種や古酒は、基本的に味がまとまり、寝かせ方によって”枯れ”と表現する独特の味わいがあります。人によって好みは分かれる味ですが、寝かせておいしくなるお酒は、基本的に芯のしっかりとしたお酒なので通常より少し温めても楽しめます。

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